「最近、愛犬のうんちがなんだか柔らかい気がする」
「下痢とまではいかないけど、毎回片付けにくい」
そんな小さな違和感から、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
犬の緩めのうんちは、体調不良だけでなく、毎日のドッグフードが影響していることも珍しくありません。
ただし、すぐにフードを変えればいいという話でもなく、原因を勘違いしたまま対処すると、かえってお腹の調子を崩してしまうこともあります。
この記事では、緩めのうんちとドッグフードの関係を整理しながら、飼い主さんが自宅で見直せるポイントを丁寧にお伝えしていきます。
犬のうんちが「緩め」な状態とは?
犬のうんちが「緩め」と言われる状態は、いわゆる下痢とは少し違います。水のように広がるほどではないけれど、つかもうとすると形が崩れやすかったり、地面に少し跡が残ったりするような便のことを指すことが多いです。
毎日のお世話の中では見過ごしがちですが、実はこの「なんとなく柔らかい」という変化は、愛犬の体調や食事内容がうまく噛み合っていないサインであることもあります。元気や食欲があるからといって安心してしまいがちですが、便の状態は体の内側の調子をとても正直に表します。
緩めのうんちが一時的なものであれば、食べ過ぎや環境の変化など、ちょっとしたきっかけが原因のこともあります。ただ、同じ状態が何日も続くようであれば、ドッグフードの内容や与え方が合っているかを見直す必要が出てきます。
「下痢じゃないから大丈夫」と片付けず、まずは普段のうんちと比べてどう違うのかに気づくことが大切です。この小さな変化に目を向けることが、愛犬の体調管理の第一歩になります。
下痢との違いはどこ?
緩めのうんちと下痢は、見た目が似ていることもあり混同されがちですが、実ははっきりとした違いがあります。判断のポイントは、便の水分量と出方です。
緩めのうんちは、形がありつつも柔らかく、地面に少し跡が残る程度の状態を指します。回数は普段とほとんど変わらず、愛犬自身も特に辛そうな様子は見せないことが多いです。片付けにくさはあるものの、「一応まとまっている」という感覚が近いでしょう。
一方、下痢は水分が多く、形がほとんどありません。トイレシートに広がったり、排便の回数が急に増えたりするのが特徴です。お腹がゴロゴロ鳴る、急に外へ行きたがるなど、犬自身も不快感を抱えている様子が見られることがあります。
もう一つの違いは、体への負担の大きさです。緩めのうんちは軽い消化不良や食事バランスの乱れが原因のことが多いのに対し、下痢は腸への刺激が強く、脱水や体力低下につながることもあります。
そのため、「少し柔らかいだけ」と思っていても、水っぽさが増したり、回数が増えてきた場合は下痢に近づいているサインです。便の状態をよく観察し、どちらに当てはまるのかを見極めることが、適切な対処につながります。
一時的なら様子見でもいいケース
犬のうんちが少し緩くなっても、すぐに大きな問題とは限らないケースもあります。一時的な変化であれば、慌てず様子を見るという選択ができることもあります。
たとえば、ドッグフードの量を少し多く与えてしまったときや、普段と違うおやつを食べたあとなどは、腸が一時的にびっくりして便が柔らかくなることがあります。また、来客や引っ越し、散歩コースの変化など、環境のちょっとした変化によるストレスが原因になることもあります。
こうした場合、元気や食欲が普段通りで、排便の回数も増えていなければ、1〜2日ほど様子を見るだけで自然に元に戻ることも少なくありません。水っぽくならず、形がある状態を保っているかどうかも判断の目安になります。
大切なのは、「いつもと違う」という事実に気づきつつも、便の状態が悪化していないかをよく観察することです。時間が経っても改善しない、逆に柔らかさが増してきた場合は、食事内容や与え方を見直すサインだと考えるとよいでしょう。
続く場合に注意したいサイン
うんちが少し緩い状態が数日続く場合は、「様子見」で済ませず、いくつかのサインに注意する必要があります。見た目の変化が小さくても、体の中では不調が続いている可能性があるからです。
まず気にしたいのは、便の状態がだんだん悪くなっていないかという点です。最初は柔らかい程度だったのに、水分が増えてきたり、形がほとんどなくなってきたりする場合は、下痢に近づいているサインと考えられます。
次に、排便の回数です。回数が明らかに増えていたり、少量ずつ何度も出るようになっている場合は、腸がうまく働いていない可能性があります。
また、便以外の様子にも目を向けてみてください。
・食欲が落ちてきた
・元気がなく、寝ている時間が増えた
・お腹を気にするような仕草をする
こうした変化が見られる場合、単なる食事の影響だけではないこともあります。
さらに、色やにおいの変化も重要なポイントです。いつもより極端に黒っぽい、酸っぱいにおいが強い、粘り気があるといった場合は、体調不良のサインとして見逃さないようにしましょう。
緩めのうんちが「続く」こと自体が、愛犬からの小さなSOSであることもあります。普段の様子と比べながら変化に気づき、早めに食事や生活環境を見直すことが大切です。
緩めのうんちとドッグフードの深い関係
「最近、うんちが少し緩い気がするけど、元気はあるし様子見でいいかな」
そんなふうに感じたことはありませんか。
実は、緩めのうんちは珍しいことではなく、ちょっとした食事の影響で起こることも多いものです。その中でも見落とされがちなのが、毎日当たり前に食べているドッグフードとの相性です。
犬の体はとても正直で、消化しきれなかったものや負担になっているものがあると、うんちの状態に表れやすくなります。原材料や脂質量、たんぱく質の種類などがその子の体質に合っていない場合、体は「うまく処理できない」というサインとして、緩めのうんちを出すことがあります。
病気や体調不良が原因でない場合でも、フードを見直しただけでうんちが安定するケースは少なくありません。だからこそ、緩めのうんちが続くときは、「お腹が弱いから」と決めつける前に、今のドッグフードが本当に合っているかを考えてみることが大切です。
うんちは、毎日目にするいちばん身近な健康チェック。
その変化には、食事との深い関係が隠れているかもしれません。
原材料が体に合っていない場合
毎日食べているドッグフードの原材料が、必ずしもその犬の体に合っているとは限りません。どんなに評判の良いフードでも、体質との相性が合わなければ、消化の途中で負担になってしまうことがあります。
たとえば、特定のたんぱく源に弱い犬は意外と多く、チキンやビーフなど、よく使われている原材料でも体に合わないことがあります。消化しづらい原材料が含まれていると、腸でうまく吸収されず、水分が多いまま排出されてしまい、結果としてうんちが緩くなります。
また、原材料の種類が多すぎるフードも注意が必要です。一見すると栄養が豊富そうに感じますが、体に合わない素材がひとつでも混ざっていると、腸は混乱しやすくなります。特にお腹がデリケートな犬ほど、シンプルな原材料のほうが調子が安定しやすい傾向があります。
「ずっとこのフードを食べてきたから大丈夫」と思っていても、年齢や体調の変化によって、合っていた原材料が合わなくなることもあります。うんちが緩い状態が続くときは、原材料表示をあらためて見直し、何が使われているのかを知ることが、改善への第一歩になります。
脂質や食物繊維のバランス
ドッグフードを見直すとき、原材料ばかりに目が行きがちですが、脂質や食物繊維のバランスも、うんちの状態に大きく関わっています。
脂質はエネルギー源として欠かせない栄養素ですが、多すぎると腸で処理しきれず、うんちが柔らかくなったり、ベタついたりすることがあります。特に運動量がそれほど多くない犬や、もともとお腹が敏感な犬の場合、脂質が高めのフードは負担になりやすい傾向があります。「毛並みが良くなる」「食いつきがいい」といった理由で脂質が多いフードを選んでいる場合は、うんちの状態もあわせて確認してみることが大切です。
一方、食物繊維も多ければ良いというものではありません。適量であれば腸内環境を整える助けになりますが、繊維が多すぎると水分を引き込み、うんちが緩くなる原因になることがあります。特に、複数の野菜や豆類が多く使われているフードでは、知らないうちに食物繊維を摂りすぎていることもあります。
大切なのは、脂質と食物繊維がその犬の年齢や運動量、体質に合ったバランスになっているかどうかです。うんちが緩い状態が続くときは、「栄養が足りていない」のではなく、「体にとって多すぎるものがないか」という視点でフードを見直してみると、改善のヒントが見えてきます。
急なフード切り替えが与える影響
ドッグフードを変えたあとにうんちが緩くなった、という経験がある飼い主さんは少なくありません。その原因としてとても多いのが、フードを急に切り替えてしまったことです。
犬の腸内環境は、毎日食べているフードに合わせて少しずつ慣れていくものです。たんぱく質の種類や脂質量、食物繊維の量が変わると、腸内のバランスも変化します。そこに急な切り替えが起こると、腸が対応しきれず、消化が追いつかないまま排出されてしまい、うんちが緩くなりやすくなります。
「新しいフードのほうが良さそうだから」「今のフードがなくなったから」と、いきなり全量を変えてしまうのは、犬のお腹にとってはかなりの負担です。フード自体に問題がなくても、切り替え方が原因で調子を崩してしまうこともあります。
フードを変えるときは、今までのフードに少しずつ混ぜながら、時間をかけて慣らしていくことが大切です。うんちの硬さや回数を確認しながら、無理のないペースで進めることで、腸への負担を減らすことができます。焦らずゆっくり切り替えることが、結果的に愛犬の体調を守る近道になります。
こんなドッグフードの与え方、していませんか?
毎日きちんとフードを選んで、決まった時間に与えている。
それでも、うんちが緩い状態が続いているとしたら、フードの「中身」ではなく「与え方」に原因があるのかもしれません。
ドッグフードは、どんなに体に良いものでも、与え方ひとつでお腹に負担をかけてしまうことがあります。量が多すぎたり、切り替えが急だったり、知らないうちにおやつを足しすぎていたりと、飼い主さんにとっては何気ない習慣が、腸内バランスを崩すきっかけになることもあります。
「ちゃんとしたフードをあげているから大丈夫」と思っている場合ほど、こうしたポイントは見落としがちです。まずは今の与え方を一度立ち止まって見直してみることが、うんちの状態を整える第一歩になるかもしれません。
このあとでは、緩めのうんちにつながりやすいドッグフードの与え方について、具体的に見ていきます。
量が多すぎる・おやつが多い
フードの内容には気をつけているのに、うんちがなかなか安定しない。そんなときに見直したいのが、食べる量とおやつの与え方です。
ドッグフードは、体に必要な量を少し超えただけでも、腸にとっては負担になることがあります。食べきれていない栄養や脂質は、消化されないまま腸を通過しやすくなり、水分が多い状態で排出されるため、うんちが緩くなりやすくなります。特に「よく食べるから」「まだ欲しそうだから」と、つい量を増やしてしまっている場合は注意が必要です。
また、意外と影響が大きいのがおやつです。しつけやコミュニケーションのつもりで与えていても、回数や量が増えると、1日の摂取カロリーや脂質が想像以上に多くなってしまいます。フードとは原材料や栄養バランスが異なるおやつが重なることで、腸内環境が乱れ、うんちが緩くなることもあります。
フードの量が適切かどうかは、体重だけでなく、体型や運動量、うんちの状態を見ながら判断することが大切です。おやつも「ゼロにする」のではなく、量や種類を意識して調整するだけで、腸への負担が軽くなり、うんちが落ち着いてくるケースは少なくありません。
人の食べ物をつい与えてしまう
家族と同じ空間で食事をしていると、じっと見つめられたり、少し鳴いたりして、つい人の食べ物を分けてあげたくなることがありますよね。ほんの一口のつもりでも、それがうんちが緩くなる原因になっていることは少なくありません。
人の食べ物は、犬にとっては脂質や塩分が多く、味付けも濃いものがほとんどです。犬の消化器は、基本的にドッグフードを消化する前提で働いているため、こうした食べ物が入ってくると腸がうまく対応できず、消化不良を起こしやすくなります。その結果、うんちが柔らかくなったり、回数が増えたりすることがあります。
また、人の食べ物は日によって内容が変わるため、腸内環境が安定しにくいのも問題です。今日は揚げ物、今日はパン、というように少量ずつでも違うものが入ることで、腸は常に振り回されてしまいます。本人は喜んで食べていても、体の中では負担が積み重なっていることもあります。
「少しだけなら大丈夫」と思いがちですが、緩めのうんちが続いている場合は、まず人の食べ物を与えていないかを振り返ってみることが大切です。食事内容をシンプルに戻すだけで、うんちの状態が落ち着いてくる犬も多くいます。
保存状態による劣化の影響
ドッグフードの内容や与え方に問題がなさそうなのに、うんちが緩い状態が続く場合、フードの保存状態が影響していることもあります。見落とされやすいポイントですが、実はとても大切な部分です。
ドライフードは空気や光、湿気に弱く、開封した瞬間から少しずつ劣化が始まります。特に脂質を含むフードは酸化しやすく、酸化が進むと風味が落ちるだけでなく、犬の消化器に負担をかけることがあります。見た目やにおいに大きな変化がなくても、体にとっては刺激になっている場合があります。
また、袋の口を軽く閉じただけで保存していたり、キッチンの湿気が多い場所に置いていたりすると、フードが湿気を吸って傷みやすくなります。こうした状態のフードを食べ続けることで、腸内環境が乱れ、うんちが緩くなることもあります。
「同じフードを与えているのに、急に調子が崩れた」というときは、保存方法や開封してからの期間を一度確認してみてください。密閉容器を使う、直射日光を避ける、開封後は早めに使い切るなど、保存環境を整えるだけで、うんちの状態が改善するケースも少なくありません。
緩めのうんちが気になるときの食事の見直しポイント
うんちが少し緩い状態が続くと、「何か病気なのでは」と心配になりますよね。けれど、元気や食欲がある場合は、まず毎日の食事を見直すことが改善への近道になることも多くあります。
ドッグフードは、犬の体調や年齢、運動量によって合う・合わないがはっきり分かれます。今までは問題なかったフードでも、体質の変化やちょっとした与え方の違いで、腸に負担がかかることがあります。緩めのうんちは、体が「少し無理をしているよ」と教えてくれているサインとも言えます。
大切なのは、すぐにフードをコロコロ変えることではありません。原材料や量、与え方など、基本的なポイントをひとつずつ確認していくことが、うんちを安定させるための第一歩になります。
このあとでは、緩めのうんちが気になるときに意識したい食事の見直しポイントを、順番にわかりやすく紹介していきます。
一度に変えず、少しずつ調整する
緩めのうんちが気になると、「早く何とかしなきゃ」と思って、フードを一気に変えてしまいたくなるものです。でも、実はこの行動が、かえってお腹の調子を不安定にしてしまうことがあります。
犬の腸はとても繊細で、毎日食べている内容に合わせてバランスを保っています。そこに急な変化が加わると、良いフードであっても消化が追いつかず、うんちがさらに緩くなってしまうことがあります。だからこそ、見直しは一度に全部変えるのではなく、少しずつ調整することが大切です。
フードを切り替える場合は、今のフードに新しいフードを少量混ぜるところから始め、数日かけて割合を増やしていきます。その間は、うんちの硬さや回数、においなどをよく観察してみてください。急いで結果を出そうとせず、体の反応を見ながら進めることがポイントです。
小さな調整を重ねることで、腸はゆっくりと慣れていきます。焦らず、愛犬のペースに合わせて進めることが、うんちを安定させるいちばんの近道になります。
原材料表示で見ておきたい点
ドッグフードを見直すとき、まず確認したいのが原材料表示です。難しそうに見えますが、いくつかのポイントを押さえておくだけで、フードがその子に合っているかどうかのヒントが見えてきます。
最初にチェックしたいのは、何が主原料になっているかです。原材料表示は、使われている量が多い順に書かれています。最初のほうに具体的なたんぱく源(チキン、サーモンなど)がはっきり書かれているかを見てみましょう。「肉類」「○○ミール」など、内容があいまいな表記が多い場合は、消化の負担になることもあります。
次に、原材料の数にも注目してみてください。種類が多ければ良いというわけではなく、お腹がデリケートな犬の場合は、シンプルな構成のほうが調子が安定しやすいことがあります。何が原因でうんちが緩くなっているのかを判断するためにも、使われている素材が把握しやすいフードは安心です。
また、人工的な香料や着色料、保存料が多く使われていないかも確認しておきたいポイントです。これらはすべての犬に悪影響が出るわけではありませんが、体質によっては腸に刺激になることがあります。原材料表示を丁寧に見ることは、緩めのうんちを改善するための大切な手がかりになります。
便の状態を観察する習慣をつける
うんちの状態は、毎日の体調をいちばん正直に教えてくれるサインです。だからこそ、緩めのうんちが気になるときはもちろん、普段から便を観察する習慣をつけておくことがとても大切です。
見るポイントは、硬さだけではありません。形がしっかりしているか、表面がベタついていないか、回数が急に増えていないか、においが強くなっていないかなど、ちょっとした変化にも目を向けてみてください。こうした違いは、食事が合っているかどうかを判断する手がかりになります。
食事を調整したときも、便の観察は欠かせません。フードを変えたあとにどう変化したかを見ることで、「このフードは合っていそう」「少し負担があるかもしれない」といった判断がしやすくなります。毎日同じように見えても、よく観察すると微妙な違いがあるものです。
うんちを見るのは、決して特別なことではありません。散歩やトイレのついでに、ほんの数秒気にかけるだけで十分です。その小さな積み重ねが、体調の変化に早く気づき、愛犬の健康を守ることにつながっていきます。
ドッグフード以外に考えられる原因
うんちが緩いと、どうしてもドッグフードに原因があるのでは、と考えがちですが、実はそれだけとは限りません。食事を見直しても改善しない場合は、フード以外の要因にも目を向けてみることが大切です。
犬は環境の変化や気持ちの揺れが体調に出やすい動物です。引っ越しや来客、生活リズムの変化など、人にとっては小さな出来事でも、犬にとってはストレスになることがあります。そうした影響が腸の動きに表れ、うんちが緩くなることもあります。
また、季節の変わり目や気温の変化、軽い体調不良が原因になっている場合もあります。元気そうに見えても、体の中では一時的にバランスを崩していることもあるのです。
だからこそ、フードだけに原因を決めつけず、生活全体を振り返ってみることが大切です。このあとでは、ドッグフード以外に考えられる主な原因について、順番に見ていきます。
ストレスや生活環境の変化
犬は言葉で不調を伝えられないぶん、心や体の変化がうんちに表れやすい動物です。その中でも、ストレスや生活環境の変化は、緩めのうんちにつながりやすい原因のひとつです。
たとえば、引っ越しや模様替え、家族構成の変化、来客が続いたときなど、人にとっては日常の延長でも、犬にとっては大きな刺激になることがあります。散歩の時間が変わった、留守番が増えたといった小さな変化でも、腸の動きが乱れてしまうことは珍しくありません。
また、音やにおい、周囲の騒がしさなどもストレスの原因になります。気持ちが落ち着かない状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、消化がうまくいかず、うんちが緩くなることがあります。フードは同じでも、環境が変わっただけで調子を崩す犬もいます。
もし食事に心当たりがないのにうんちが緩い場合は、最近の生活を振り返ってみてください。環境をできるだけ整え、安心できる時間を増やしてあげることで、自然とうんちが安定してくることもあります。
季節や気温による影響
うんちの状態は、食事だけでなく季節や気温の変化にも影響を受けることがあります。特に季節の変わり目は、体が環境に慣れようとする過程で、腸の調子が不安定になりやすい時期です。
暑い時期は、体温調整のために体内の水分バランスが変わり、うんちが柔らかくなりやすくなります。食欲が落ちたり、冷たい場所で過ごす時間が増えたりすることで、消化のリズムが乱れる犬もいます。逆に寒い時期は、運動量が減ったり、体がこわばったりすることで、腸の動きに影響が出ることもあります。
また、気温差が大きい時期は、知らないうちに体に負担がかかりがちです。日中と朝晩の寒暖差や、急な気温の上昇・下降に体がついていけず、一時的にうんちが緩くなることがあります。こうした場合は、フードを変えなくても、環境を整えることで落ち着くこともあります。
「毎年この時期になると調子を崩しやすい」と感じる場合は、季節の影響を受けている可能性も考えてみてください。室温や寝床、散歩の時間帯を少し工夫するだけでも、腸の負担を減らすことにつながります。
体質や年齢による消化力の違い
犬にもそれぞれ体質があり、消化の得意・不得意は年齢とともに変わっていきます。今まで問題なく食べていたフードでも、体の変化によって、うんちの状態に影響が出ることは珍しくありません。
子犬の頃は消化器官がまだ未熟で、少しの変化でもうんちが緩くなりやすい傾向があります。一方で、成犬になると消化は安定してきますが、体質によっては脂質や特定の原材料が負担になる犬もいます。「お腹が弱い」と感じる犬の多くは、この体質の影響を受けています。
シニア期に入ると、消化酵素の分泌が減り、若い頃と同じ食事でも消化しきれなくなることがあります。その結果、栄養を吸収しきれず、うんちが柔らかくなったり、量が増えたりすることがあります。年齢に合ったフードや量の調整が必要になるタイミングでもあります。
大切なのは、「前は大丈夫だったから」と決めつけないことです。体質や年齢の変化を意識しながら、その時々の体に合った食事を選ぶことが、うんちを安定させるための大切なポイントになります。
こんなときは食事だけで判断しない
うんちが緩い状態が続くと、まず食事を見直そうとする方が多いと思います。それはとても大切なことですが、すべてを食事だけで判断してしまうのは注意が必要です。
フードを変えたり、量を調整したりしても改善しない場合、体の中で別の問題が起きている可能性もあります。見た目には元気そうでも、消化器の不調や体調の変化が、うんちにだけ表れていることもあるからです。
また、「いつもと違う」が重なっているときは要注意です。うんちの状態だけでなく、食欲や元気、行動に小さな変化がないかをあわせて見ることで、食事以外の原因に気づけることがあります。
このあとは、食事の見直しだけでは判断しきれないケースについて、具体的に見ていきます。
水のような便が続く
一時的にうんちが緩くなることは珍しくありませんが、水のような便が何日も続く場合は、食事だけが原因とは限らないため注意が必要です。
水様便は、腸がほとんど内容物を吸収できていない状態です。軽い消化不良とは違い、体にとってはかなり負担がかかっています。この状態が続くと、水分や栄養が十分に吸収されず、元気があっても体の中では消耗が進んでいることがあります。
また、水のような便が出ているときは、脱水のリスクも高まります。特に小型犬やシニア犬の場合、体力の低下につながりやすいため、「そのうち治るだろう」と様子を見すぎないことが大切です。
フードの調整や与え方の見直しで改善しない、水様便が続く、回数が多いといった場合は、食事だけで判断せず、早めに獣医師に相談することをおすすめします。うんちは体からの重要なサイン。強い変化が出ているときほど、慎重に対応してあげることが必要です。
元気や食欲が明らかに落ちている
うんちが緩いだけでなく、元気や食欲がはっきりと落ちている場合は、食事の問題だけと考えず、注意深く様子を見る必要があります。
いつもは喜んで食べるごはんに口をつけない、寝ている時間が明らかに増えた、散歩に行きたがらないなど、こうした変化は体調不良のサインであることが多いものです。うんちは外から見える変化ですが、その裏で体の中では別の不調が起きている可能性もあります。
このような状態でフードを次々と変えてしまうと、かえってお腹に負担をかけてしまうことがあります。原因が食事以外にある場合、どれだけ良いフードにしても改善しないこともあります。
元気や食欲の低下がうんちの変化と同時に見られるときは、自己判断をせず、早めに獣医師に相談することが大切です。普段の様子をよく知っている飼い主さんだからこそ気づける変化を、軽く見過ごさないようにしましょう。
血や粘液が混じる場合
うんちに血や粘液が混じっている場合は、緩さの程度にかかわらず、すぐに注意が必要です。これは体からの「異常信号」であり、単にフードが合わないだけではない可能性があります。
血が混じる場合は、腸や肛門付近の炎症や傷、寄生虫、消化器の病気など、さまざまな原因が考えられます。赤い鮮血であれば肛門付近の出血のことが多く、黒っぽい血が混じる場合は腸の奥のほうで出血していることがあります。
また、粘液が目立つ場合も、腸内で炎症や刺激が起きているサインです。少量でも、繰り返し見られる場合は腸内環境が大きく乱れている可能性があります。
こうした症状があるときは、食事を変えたり量を調整したりするだけでは改善が難しく、早めに獣医師に相談することが重要です。体調の変化を軽く見ず、迅速に対応することで、症状の悪化を防ぐことができます。
まとめ
犬のうんちは、毎日の健康を知るうえでとてもわかりやすいサインです。少し緩い程度であれば、フードの原材料や脂質・食物繊維のバランス、量や与え方を見直すことで改善することが多くあります。また、急なフード切り替えや保存状態の悪さも、お腹の調子に影響を与えることがあるため注意が必要です。
一方で、ストレスや生活環境の変化、季節や気温、年齢や体質による消化力の違いも、うんちの状態に大きく関わっています。食事だけで判断せず、便の状態を毎日観察し、少しずつ調整することが大切です。
ただし、水のような便が続く、元気や食欲が落ちている、血や粘液が混じるといった場合は、自己判断せずに早めに獣医師に相談することが必要です。うんちは体からの大切なメッセージ。食事や生活環境を見直すこととあわせて、日々の観察を習慣にすることで、愛犬の健康を守ることにつながります。
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