母犬の体調は、子犬の成長やその後の健康状態にまで影響します。
特に妊娠中から出産後、授乳期にかけては、普段以上に体への負担がかかる時期です。ブリーダーとして経験を重ねるほど、「母犬の食事の大切さ」を実感している方も多いのではないでしょうか。
母親用ドッグフードといっても、特別なものを与えれば良いという話ではありません。大切なのは、その時期の体の変化を理解し、必要な栄養を無理なく摂れる食事を用意することです。
この記事では、ブリーダーの立場で考えたい母犬のドッグフード選びについて、妊娠期から授乳期までの流れに沿って整理していきます。
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なぜ「母親用」の食事が重要なのか
母犬の食事は、単に「お腹を満たすためのもの」ではありません。特に妊娠・出産・授乳を経験する母犬にとって、食事は体調を支え、子犬を育てるための土台になります。母犬の体が安定していなければ、出産後の回復が遅れたり、授乳に影響が出たりすることもあります。
母犬の体が担っている役割
母犬の体は、妊娠から出産、そして授乳期にかけて、想像以上に多くの役割を担っています。妊娠中は自分の体を維持しながら、お腹の中で子犬を育てるための栄養やエネルギーを供給し続けます。出産が近づくにつれて、その負担はさらに大きくなります。
出産後は、体を回復させる間もなく授乳が始まります。母乳をつくるためには多くのエネルギーが必要で、体内の栄養が優先的に使われます。その結果、食事内容が合っていないと、体重が急に落ちたり、体力が消耗しやすくなったりします。母犬の体は、常に「子犬を守り育てる」ことを最優先に働いている状態です。
さらに、母犬は子犬の世話役でもあります。授乳だけでなく、体を温めたり、排泄を促したりと、休む間もなく動き続けます。こうした日常の行動を支えているのも、母犬の体力と栄養状態です。母犬の体が果たしている役割を理解することは、適切な食事管理を考えるうえで欠かせない視点と言えるでしょう。
子犬の発育との深い関係
母犬の食事は、単に母犬自身の健康だけでなく、お腹の中の子犬や授乳中の子犬の発育にも直結します。妊娠・授乳期は、母犬の体が大きく変化し、栄養の必要量も通常時より増えるため、フードの内容がそのまま子犬の成長に影響するのです。
妊娠中は、母犬が必要な栄養を十分に摂ることで、胎盤を通して子犬に必要なタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルが届けられます。これが不足すると、子犬の体重が増えにくかったり、免疫力が弱くなったりする可能性があります。つまり、母犬の食事は子犬の骨や筋肉、内臓の基礎をつくる“土台”と考えることができます。
授乳期も同様に重要です。母乳の栄養は母犬の体内の栄養状態に大きく左右されるため、タンパク質や脂質、カルシウムなどが不足すると、母犬の体力が落ちるだけでなく、子犬の成長にも影響が出やすくなります。逆に、栄養バランスが整ったフードを与えることで、母犬の健康を守りながら、子犬が元気に育つ環境をつくることができるのです。
つまり、母犬の食事は子犬の発育に直結する重要な要素であり、妊娠・出産・授乳期にどのようなドッグフードを選ぶかが、子犬の健康と成長を左右すると言っても過言ではありません。
妊娠期の母犬に起こる体の変化
妊娠期の母犬は、体の中で大きな変化が次々と起こります。外見だけでは分かりにくい部分も多いですが、内側では子犬の成長に合わせて栄養やエネルギーの必要量が増え、母犬自身の体も変化しているのです。
まず、妊娠中期から後期にかけて、子犬の体が急速に大きくなるため、母犬の体重も増加します。このとき、筋肉や内臓、骨に負担がかかることがあり、栄養不足やエネルギー不足にならないよう注意が必要です。また、子犬の発育に必要なタンパク質や脂質、カルシウムなどの栄養素も増えていくため、普段のフードだけでは十分でない場合があります。
さらに、消化器官や心臓・腎臓などの臓器も、妊娠による負荷に対応するために働き方が変化します。これにより、食欲の変動や消化のしやすさに影響が出ることもあります。体調の変化は個体差も大きく、同じ妊娠期でも食欲が旺盛になる母犬もいれば、逆に少しずつしか食べられない母犬もいます。
妊娠期の母犬に合わせた食事は、体の負担を減らしつつ、子犬の発育に必要な栄養をしっかり届けることが目的です。体の変化を理解しておくことで、ドッグフードの選び方や与え方の判断がしやすくなり、母犬と子犬の健康を守ることにつながります。
エネルギー消費が徐々に増えていく
妊娠期の母犬は、妊娠が進むにつれて体が必要とするエネルギー量が徐々に増えていきます。
これは、お腹の中で子犬が成長するにつれて、母犬の体がその発育を支えるために働き続けるからです。
妊娠初期はまだ子犬の大きさも小さく、母犬のエネルギー消費はそれほど変わりません。しかし中期から後期にかけて、子犬の体重が増え、胎盤や子宮も大きくなると、母犬の基礎代謝量や日常活動での消費エネルギーが増加します。この時期は、同じ量の食事では足りなくなることも多く、栄養不足や体力の消耗に注意する必要があります。
また、妊娠後期は子犬の成長スピードが特に早く、母犬の体も食事から効率よく栄養を吸収して補う必要があります。そのため、食事の回数を増やしたり、消化のよい高エネルギー食を取り入れたりする工夫が大切です。無理に量を増やすのではなく、母犬の体調に合わせて少しずつ調整することが、健康を維持しながら子犬の成長を支えるポイントになります。
つまり、妊娠期の母犬は「見た目はまだ元気でも、体の中ではどんどんエネルギーを使っている」という状態であり、食事を上手に調整することが、母犬と子犬の両方の健康を守るために欠かせません。
食事量より「内容」が大切になる理由
出産後・授乳期は最も負担が大きい時期
出産後の母犬は、妊娠期以上に体への負担が大きくなる時期です。
子犬を産むだけでなく、その後すぐに授乳を始めるため、栄養やエネルギーの消費はピークに達します。
授乳期は、母乳を通して子犬に必要な栄養を届けるため、母犬の体から多くのタンパク質や脂質、カルシウム、ビタミンが消費されます。その結果、食事だけで補えないと、母犬自身の体力が落ちたり、体重が急激に減ったりすることがあります。また、授乳による水分消費も多く、こまめな水分補給も欠かせません。
この時期は、量だけでなく栄養バランスの良い食事を与えることが重要です。高エネルギーで消化のよいフードを選ぶことで、母犬の体力を守りつつ、子犬が十分な母乳を得られる環境を整えることができます。
つまり、出産後・授乳期は母犬にとって最も大きな負担がかかる時期であり、食事の管理が母犬と子犬の健康を左右する大切なポイントになります。
授乳で失われやすい栄養素
授乳期の母犬は、子犬に母乳を通して栄養を届けるため、体内の栄養素が普段以上に消費されやすくなります。特に失われやすい栄養素には、タンパク質、脂質、カルシウム、そしてビタミン類があります。
まずタンパク質は、母乳の主要成分であり、子犬の成長に欠かせません。母犬の体内で不足すると、体力が落ちたり、筋肉量が減ったりすることがあります。脂質も母乳のエネルギー源として多く使われるため、消費が激しくなります。これが不足すると、母犬の体重減少や疲れやすさにつながります。
カルシウムも特に注意が必要です。授乳中は乳量に比例してカルシウムが失われるため、補給が十分でないと、骨や歯に負担がかかり、ひどい場合はけいれんなどのトラブルに繋がることもあります。また、ビタミン類(ビタミンA、B群、Eなど)は母乳の質を維持するだけでなく、母犬の健康や免疫力を保つためにも重要です。
このように、授乳期は母犬の体から栄養がどんどん出ていく時期です。栄養バランスの取れた高エネルギーのフードを与え、必要に応じて少量ずつ回数を増やすなどの工夫が、母犬の健康を守りながら子犬に十分な母乳を届けるポイントになります。
食欲や体重の変化にどう向き合うか
授乳期の母犬は、食欲や体重の変化が大きくなる時期です。子犬に母乳を与えるため、体が必要とするエネルギー量が急激に増える一方で、消化器官への負担や体調の影響で、食欲が安定しないこともあります。そのため、食欲や体重の変化にどう向き合うかが、母犬と子犬の健康を守る大切なポイントになります。
まず、食欲が増える場合です。このときは、母犬が自然に体が欲する分だけ食べられるよう、回数を増やしたり、高エネルギーで消化の良いフードを用意したりすることが重要です。食べる量が増えることで、授乳に必要なエネルギーをしっかり補えます。
逆に、食欲が落ちる場合もあります。体調の変化やストレスで食べる量が減ることもあり、無理に大量を与えると消化不良につながることがあります。この場合は、少量ずつ回数を増やして与えたり、母犬が好む食材を混ぜて食欲を刺激するなど工夫することが大切です。
体重の変化も観察ポイントです。授乳期は自然に体重が減ることもありますが、急激な減少は母犬の体力低下や栄養不足のサインです。逆に体重が増えすぎる場合は、フードの量や回数を調整して、負担をかけすぎないように注意しましょう。
つまり、授乳期の母犬の食欲や体重の変化は一人ひとり違います。日々の観察と少しの工夫で、体調を守りながら子犬に十分な母乳を届けることが、この時期の食事管理のポイントです。
ブリーダーが意識したいドッグフードの考え方
ブリーダーが母犬のためにドッグフードを選ぶときは、単に「高品質だから」「人気だから」といった理由だけで決めるのではなく、母犬の体の状態やライフステージに合っているかを意識することが大切です。妊娠期や授乳期は、栄養の必要量やバランスが普段の生活とは大きく異なるため、フードの選び方ひとつで母犬と子犬の健康に差が出ることもあります。
特に重要なのは、栄養バランスと消化のしやすさ、エネルギー量の適正です。母犬が必要な栄養をしっかり摂れるか、消化器官に負担をかけずに食べられるか、授乳で消費するエネルギーに見合った量を補えるか、という点を確認することが基本になります。
また、母犬の個体差にも注意が必要です。同じ妊娠期・授乳期でも、体格や食欲、子犬の数によって必要量は変わります。そのため、フードの量や回数を調整しながら、母犬の体調や体重、便や被毛の状態などを日々観察し、柔軟に対応することが求められます。
つまり、ブリーダーが意識すべきドッグフードの考え方は、「母犬と子犬の健康を第一に、ライフステージや個体差に合わせて栄養を届ける」ことに尽きます。流行やブランドに流されず、愛犬の体の声に耳を傾けることが、安心で安全なブリーディングにつながります。
高たんぱく・高エネルギーだけでは不十分
ブリーダーが母犬のためにドッグフードを選ぶときは、単に「高品質だから」「人気だから」といった理由だけで決めるのではなく、母犬の体の状態やライフステージに合っているかを意識することが大切です。妊娠期や授乳期は、栄養の必要量やバランスが普段の生活とは大きく異なるため、フードの選び方ひとつで母犬と子犬の健康に差が出ることもあります。
特に重要なのは、栄養バランスと消化のしやすさ、エネルギー量の適正です。母犬が必要な栄養をしっかり摂れるか、消化器官に負担をかけずに食べられるか、授乳で消費するエネルギーに見合った量を補えるか、という点を確認することが基本になります。
また、母犬の個体差にも注意が必要です。同じ妊娠期・授乳期でも、体格や食欲、子犬の数によって必要量は変わります。そのため、フードの量や回数を調整しながら、母犬の体調や体重、便や被毛の状態などを日々観察し、柔軟に対応することが求められます。
つまり、ブリーダーが意識すべきドッグフードの考え方は、「母犬と子犬の健康を第一に、ライフステージや個体差に合わせて栄養を届ける」ことに尽きます。流行やブランドに流されず、愛犬の体の声に耳を傾けることが、安心で安全なブリーディングにつながります。
消化のしやすさが母犬を支える
妊娠期や授乳期の母犬にとって、「消化のしやすさ」は想像以上に重要なポイントです。この時期の母犬は、お腹の中の子犬を育てたり、母乳を作ったりと体に大きな負担がかかっています。そのため、どんなに栄養価が高いフードでも、消化に時間がかかったり胃腸に負担をかけてしまうと、体力の消耗や食欲低下につながってしまいます。
消化しやすいドッグフードは、必要な栄養を効率よく吸収しやすく、母犬の体を内側から支えてくれます。胃腸が安定していれば、食後にぐったりすることも少なく、エネルギーを子犬の成長や授乳にしっかり回すことができます。便の状態が安定しやすいのも、消化がうまくいっているサインのひとつです。
また、消化への負担が少ないフードは、食事の量が増えがちな授乳期でも安心して与えやすいというメリットがあります。食べた分だけきちんと栄養として使われることで、母犬自身の体調管理もしやすくなります。母犬が無理なく食べ続けられることは、結果的に子犬の健やかな成長にもつながっていきます。
母犬を支える食事は、特別なものよりも「体にやさしく、きちんと消化できること」が何より大切です。日々の様子を見ながら、負担の少ない食事環境を整えてあげることが、ブリーダーにできる大切なケアと言えるでしょう。
原材料を見るときの基本的な視点
ドッグフードを選ぶとき、成分表の数値ばかりに目がいきがちですが、実はそれと同じくらい大切なのが「原材料をどう見るか」という視点です。どんな食材から作られているかによって、消化のしやすさや栄養の吸収率、体への負担は大きく変わってきます。
特に母犬や体調管理が必要な犬の場合、「何%入っているか」よりも「何を使っているか」が、そのまま体調に表れやすくなります。原材料欄は難しそうに見えますが、ポイントを押さえれば決して特別な知識がなくても判断できます。
この章では、ドッグフードの原材料を見るときにまず意識したい基本的な考え方を整理していきます。表記の見方や注意点を知っておくことで、数字に振り回されず、愛犬の体に合ったフードを選びやすくなるはずです。
動物性たんぱく質の質と割合
ドッグフードを選ぶとき、「たんぱく質が何%入っているか」だけを見て判断してしまいがちですが、本当に大切なのは動物性たんぱく質の“質”と“割合”です。ここを見落とすと、数字は立派でも、犬の体に合わない食事になってしまうことがあります。
犬は本来、肉や魚などの動物性たんぱく質を消化・吸収しやすい体のつくりをしています。そのため、原材料の最初のほうにチキン、ビーフ、ラム、魚などがしっかり記載されているフードは、体に使われやすい栄養源になりやすい傾向があります。少ない量でも、筋肉や内臓、皮膚・被毛の維持に役立つのが特徴です。
一方で、たんぱく質量を増やすために豆類や穀類などの植物性原料が多く使われている場合、消化に時間がかかり、犬によっては胃腸に負担が出ることもあります。数値上は十分に見えても、実際には体にうまく活かされていないケースも少なくありません。
また、同じ動物性たんぱく質でも、原材料の状態は重要です。具体的な肉や魚の名称が明記されているものは、内容が分かりやすく、品質を判断しやすいポイントになります。逆に、表記があいまいなものばかりだと、栄養の安定性に不安が残ります。
動物性たんぱく質の割合が適切で、質の高い原料が使われているフードは、母犬の体力維持や回復を支えやすく、結果的に子犬の健やかな成長にもつながります。数字に振り回されず、「どんなたんぱく質を、どれくらい摂っているか」を意識して原材料を見ることが大切です。
脂質・炭水化物とのバランス
ドッグフードを考えるうえで、たんぱく質に目が行きがちですが、実は脂質や炭水化物とのバランスもとても重要です。どれか一つだけが多ければいい、というものではなく、全体の組み合わせによって体への負担や使われ方が大きく変わってきます。
脂質は、効率よくエネルギーを補える栄養素です。特に妊娠期や授乳期の母犬は、食べる量を増やしにくい時期もあるため、少量でもしっかりカロリーを確保できる脂質が不足すると、体力を消耗しやすくなります。ただし、過剰になると体重が急に増えたり、消化が追いつかず便がゆるくなったりすることもあるため、適度な量であることが大切です。
炭水化物は、主にエネルギー源として働きます。穀類やイモ類などが使われることが多く、適量であれば活動を支える力になりますが、多すぎると必要以上にカロリーを摂ってしまったり、犬によっては消化の負担になる場合もあります。原材料を見て、主役になりすぎていないかを確認したいところです。
たんぱく質・脂質・炭水化物のどれかを極端に増やしたり減らしたりするのではなく、犬の体が無理なく使える形でバランスよく配合されているかがポイントになります。数字だけを追うのではなく、「この配合なら毎日続けられそうか」「体調を崩しにくそうか」という視点で全体を見ることが、後悔しないフード選びにつながります。
母犬の状態に合わせた食事調整のコツ
母犬の体調や状態は、妊娠・出産・授乳という流れの中で大きく変化していきます。そのため、「このフードを与えておけば安心」という固定的な考え方ではなく、その時々の状態に合わせて食事を調整していく視点がとても大切になります。
食欲の波、体重の増減、便の状態、被毛や皮膚の変化など、日常の小さなサインはすべて体の内側の状態を映すヒントです。特に授乳期は、見た目以上に体力と栄養を消耗していることが多く、表面上元気そうでも、内側では負担がかかっているケースも少なくありません。
だからこそ、「妊娠期だからこの食事」「授乳期だからこの量」と一律に決めるのではなく、母犬自身の様子をよく観察しながら、量・内容・回数を柔軟に調整していくことが重要になります。状態に合わせた食事管理は、母犬の負担を減らすだけでなく、結果として子犬の健康や発育にもつながっていきます。
母犬の体を“管理する対象”として見るのではなく、“支える存在”として向き合うこと。その意識が、無理のない食事調整と、安定した繁殖環境づくりの土台になります。
妊娠初期・後期で考え方を変える
妊娠中の母犬の食事は、「妊娠しているから同じ対応でいい」というわけではありません。妊娠初期と後期では、体の中で起きていることが大きく違うため、食事の考え方も自然と変わってきます。
妊娠初期は、見た目や体重に大きな変化が出にくい時期です。この段階では、急に食事量を増やす必要はなく、まずは母犬自身の体調を安定させることを優先します。つわいのように食欲が落ちたり、好き嫌いが出たりすることもあるため、無理に食べさせようとせず、消化しやすく普段から食べ慣れているフードを基本に考えると安心です。
一方、妊娠後期になると、お腹の中で子犬が一気に成長し、母犬のエネルギー消費も増えていきます。胃が圧迫されて一度に食べられる量が減ることもあるため、量を増やすよりも、少量でも栄養をしっかり摂れる内容に調整していくことが大切です。回数を分けて与えるなど、食べ方を工夫するのも一つの方法です。
妊娠期間を通して大切なのは、「今はどの段階なのか」を意識することです。初期は無理をさせず体調重視、後期は栄養密度と食べやすさを意識する。このメリハリが、母犬の負担を減らし、出産に向けたコンディションづくりにつながります。
授乳量に応じた給餌量の調整
授乳期の母犬は、子犬に母乳を与えることで、想像以上に多くのエネルギーを使っています。そのため、授乳量に応じて給餌量を調整することは、母犬の体調を守るうえで欠かせません。
子犬の数が多いほど、また成長が進んで母乳をたくさん飲む時期ほど、母犬の消耗は激しくなります。それにもかかわらず、妊娠中と同じ量の食事のままでいると、体重が急に落ちたり、毛ヅヤが悪くなったりといった変化が出やすくなります。こうしたサインは、「足りていない」という体からの分かりやすいメッセージです。
ただし、単純に一度の食事量を増やせばいいわけではありません。授乳期は胃腸に負担がかかりやすいため、1日量を数回に分けて与える、食べやすい形状にするなど、食事の与え方も工夫すると負担を減らせます。食欲が落ちている場合は、香りや食感を変えるだけで食べ進みがよくなることもあります。
授乳量は、子犬の成長や離乳の進み具合によって日々変わっていきます。それに合わせて給餌量も少しずつ見直し、「食べているか」だけでなく、「体が保てているか」を基準に調整していくことが大切です。母犬の体調を安定させることが、結果的に子犬の健やかな育ちにもつながります。
フードだけに頼らない母犬のケア
母犬の体調管理というと、どうしてもドッグフードの内容ばかりに目が向きがちですが、実際には食事以外のケアも大きな支えになります。どれだけ栄養バランスの整ったフードを選んでも、日常の過ごし方や環境が整っていなければ、母犬の負担は軽くなりません。
妊娠期や授乳期は、体だけでなく気持ちの面でも不安定になりやすい時期です。落ち着いて休める場所があるか、無理に刺激を受けていないかといった環境面の配慮は、食事と同じくらい大切です。しっかり休めることで、体力の回復や母乳の分泌にも良い影響が出やすくなります。
また、毎日のちょっとしたスキンシップや観察も欠かせません。食欲や便の状態、動き方、表情の変化などを見ておくことで、体調の変化に早く気づくことができます。フードを変える前に、生活リズムや負担が偏っていないかを見直すだけで、状態が安定することもあります。
母犬のケアは、フードだけで完結するものではありません。食事・環境・休養をセットで考え、「今、この子が無理なく過ごせているか」を意識することが、長く元気で子育てを続けてもらうための土台になります。
水分補給と休息環境
妊娠期や授乳期の母犬にとって、水分補給と休息できる環境は、食事と同じくらい大切な要素です。どちらか一方が欠けるだけでも、体への負担は大きくなってしまいます。
授乳中は特に、母乳をつくるために多くの水分が使われます。水を飲む量が足りないと、食欲が落ちたり、体力の回復が遅れたりすることもあります。いつでも新鮮な水が飲めるようにしておくのはもちろん、飲みが悪い場合は器の場所を見直したり、静かな場所に移したりするだけで改善することもあります。フードが乾燥している場合は、ぬるま湯を少し加えて水分を補う工夫も役立ちます。
休息環境については、「静かに休めているか」が大きなポイントです。人の出入りが多い場所や、音や光の刺激が強い環境では、母犬は無意識のうちに気を張り続けてしまいます。安心して横になれるスペースを確保し、体をしっかり休められる状態を整えることが、体力の温存につながります。
水分をしっかり摂り、落ち着いて休める環境が整っていると、母犬の体調は安定しやすくなります。特別なことをしなくても、「飲めているか」「休めているか」を日々意識するだけで、母犬への大きなサポートになります。
日々の観察がトラブルを防ぐ
母犬の体調管理でいちばん頼りになるのは、特別な道具や知識よりも、日々の観察です。毎日顔を合わせているからこそ気づける小さな変化が、トラブルを防ぐきっかけになります。
たとえば、食べるスピードが遅くなった、残す量が増えた、水を飲む回数が減ったなど、一見すると些細な変化でも、体に負担がかかっているサインであることがあります。便の硬さや色、においの変化、寝ている時間が極端に増えていないかといった点も、見逃したくないポイントです。
また、見た目だけでなく、触れたときの感触も大切です。体重の急な増減、背骨や腰回りの肉付き、被毛のパサつきなどは、栄養や休養が足りていないときに表れやすい変化です。毎日同じタイミングで軽く触れる習慣をつけておくと、違和感に気づきやすくなります。
日々の観察は、「何かあったときのため」だけではありません。調子がいい状態を知っておくことで、少しのズレにも早く対応できます。母犬の様子をよく見ることが、結果的に大きなトラブルを防ぎ、安心して子育てを続けてもらうための一番の近道になります。
まとめ
母犬の食事やケアを考えるうえで大切なのは、「これが正解」と決めつけないことです。妊娠期、出産後、授乳期と、母犬の体は短い期間の中で大きく変化していきます。その変化に合わせて、フードの内容や量、与え方、そして生活環境までを柔軟に見直していく姿勢が、母犬の負担を減らします。
栄養バランスの取れたフードを選ぶことはもちろん重要ですが、それだけに頼るのではなく、水分補給や休息できる環境、日々の観察をセットで考えることが欠かせません。食欲や体重、便の状態、被毛や動き方といった小さな変化に気づければ、大きなトラブルになる前に対応できます。
母犬が無理なく過ごせているかどうかは、子犬の育ちにも直結します。「たくさん与える」「栄養価が高ければ安心」といった単純な考えではなく、その子の今の状態に目を向け、必要なものを必要な分だけ整えていくことが大切です。母犬をよく見ること、寄り添うことこそが、健やかな繁殖と子育てを支える一番の土台になります。

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